近畿日本ツーリストは西日本支社関西法人MICE支店による「東大阪市新型コロナウィルスワクチン接種に係るコールセンター業務」での過大請求事案が、2023年4月12日に発覚しました。
その後、2023年6月15日に支店長ら3人が詐欺の容疑で大阪府警に逮捕されました。
この件によって近畿日本ツーリストは潰れるのか、過大請求事件による大きな代償について調査しました。
アイキャッチ画像出典元:https://mainichi.jp/articles/20230615/k00/00m/040/243000c
近畿日本ツーリストの概要

画像出典元:https://www.anq.jp/?page_id=236
- 名称:近畿日本ツーリスト株式会社(KNT-CT Holdings Co., Ltd.)
- 所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル39階
- 代表者:髙浦雅彦
- 事業内容:旅行業
- 資本金:1億円 (2022年7月31日現在)
- 設立:1948年3月
- 主要株主:KNT-CTホールディングス
- 店舗数:世界中に200以上の支店が存在
何故、過大請求事件は起きたのか?
近畿日本ツーリスト支店長ら3人逮捕
近畿日本ツーリストは、新型コロナウイルスに関連する業務を自治体から委託された際に、実際の人件費よりも高い金額を請求していた問題が明らかになりました。
再委託先の会社に業務を発注する際に、自治体から指定された人数よりも少ない人数で業務を行わせ、それに対して指定された人数分の人件費を自治体に請求していました。
この問題が最初に発覚したのは大阪府の東大阪市で、その後、大阪府と静岡県の7つの自治体で合わせて4億円以上を過大請求していたことが判明しました。
その後の調査により、最大でおよそ14億7000万円を過大請求した可能性があると発表されました。
近畿日本ツーリストは過大請求が判明した分について、全額を自治体に返納すると表明しています。
詐欺が行われた手口は少人数で行い水増し請求
近畿日本ツーリスト関西法人MICE支店は、新型コロナウイルスのワクチン接種予約を受け付けるコールセンター業務を2021年2月から1年間受託しており、東大阪市からは平日に30人、休日に20人のオペレーターを配置するよう指示が出ていました。
しかし、この支店の営業課長らは市の指示より10人少ない人数で再委託先に発注し、支店は減らした分について市に水増し請求していました。
その後も、市が指示するオペレーター数が20~200人で変動するにつれて、支店は過少発注を繰り返していました。
200人を指示されたケースでは、支店は110人減らして半分以下にしながら、200人分をそのまま請求していたとのことです。
被告人とその役職
詐欺容疑で逮捕されたのは、以下の3人です。
- 支店長
- 支店グループリーダー
- 営業課長
詐取額とその内訳
2021年3月から2022年3月のコールセンター事業で、東大阪市から支店に支払われた委託費用は総額約10億300万円です。
この中には3人が水増ししたとする金額である約1億5900万円も含まれており、もし減額請求すれば詐欺行為は成立しませんでした。
しかし、今回そのまま水増し分を請求している為、逮捕となりました。
他にも、近畿日本ツーリストでは同様の手口で最大で全国80の自治体などに過大請求していたことが会社の調査で明らかになっています。
近畿日本ツーリスト社長の会見
近畿日本ツーリスト社長は、不正行為が発生した理由として、以下を挙げた。
- 自治体との契約に関する知識の欠如
- 営業目標達成意識
社員の間では、「問題が発生しなければ、自治体との契約に沿った人数やその他の規定を守らなくても良い」という認識が存在していた。
さらに、この種の行為を防止するための管理体制も不十分であった。
また、新型コロナウイルスによる行動制限の影響で同社の主力事業であった旅行事業が大きな打撃を受けていた中、営業目標を達成したいという意識が強く働いた。
これが不正行為へとつながったと説明された。

信じられません!

他の旅行業界は大丈夫なのかな?
近畿日本ツーリスト大量閉店とは?

画像出典元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220525/k10013642151000.html
2020年11月11日、「近畿日本ツーリスト」を運営するKNT-CTホールディングス㈱は、全国に138店舗ある個人向け旅行店舗を2021年3月末までに3分の1に縮小すると発表しました。
この決定は、コロナ禍により旅行のWeb販売比率が高まったことが背景にあります。
2021年1月からは希望退職者を募集し始めました。
KNT-CTは、ビジネス、教育旅行、町内会の親睦旅行などの団体旅行事業を縮小し、趣味やレジャーに応じた個人旅行事業「クラブツーリズム」を強化しています。
個人客については、店舗数を削減する一方で、以下を始める計画です。
- Webやコールセンター機能の充実
- アバターによるオンライン接客や端末を使った営業形態への移行
- 旅の専門家によるアドバイザーサービス「旅のコンシェルジュ」をWeb上で実施

今回の不正とは別で大量閉店してたんだね。

コロナの影響はどこも大きいですね。
まとめ
近畿日本ツーリストはコロナ禍で債務超過に一時期陥っていたことから、経営状態がかなり厳しかったようです。
過大請求事件は近畿日本ツーリストだけでなく、観光業界全体にも大きな影響を及ぼしました。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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