コニカミノルタの新規事業である精密医療事業がなぜ赤字なのか?要因を調査しました!

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コニカミノルタは、2023年5月10日に発表した2023年3月期通期の連結業績予想の修正において、連結最終損益が1050億円の赤字になると公表しました。

特に、プレシジョンメディシン事業(精密医療事業)における減損損失が大きな要因で、1166億円の減損が発生しました。

この記事では、この事業がなぜ巨額の赤字を記録したのか調査しました。

アイキャッチ画像出典元:https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/index.html

目次

コニカミノルタの概要

画像出典元:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/03569/

  • 会社名:コニカミノルタ株式会社
  • 英文社名:KONICA MINOLTA, INC.
  • 本社:東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー
  • 代表執行役社長 兼 CEO:大幸 利充 
  • 従業員数:単体 4,407名(2023年3月現在)
         連結 39,775名(2023年3月現在)
  • 設立:1936年(昭和11年)12月22日
  • 資本金:37,519百万円
  • 事業内容:デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、ヘルスケア事業、インダストリー事業

役員報酬の自主返上

画像出典元:https://news.mynavi.jp/techplus/article/20190426-814993/

 2023年3月期の連結業績予想によると、純損益は1050億円の赤字になると見られています​​。

これは、以前の予想であった55億円の黒字から大きく下方修正されたもので、米国企業の買収など過去の投資の精査の結果、巨額の減損損失(固定資産の価値低下)が発生したことが主な原因となっています。

これに対して、経営陣は自主的に役員報酬を返上することを決定しました。

具体的には、大幸利充社長は月額固定報酬の30%を12カ月間返上することとなりました​。

赤字の要因

各事業ごとの損失額を見てみます。

  • プレシジョンメディシン事業:1035億円
  • MOBOTIXグループ:37億円
  • イメージング-IoTソリューション:31億円
  • QOLソリューション事業:12億円
  • デジタルワークプレイスビジネスのITサービス会社の買収:29億円
  • プロフェッショナル印刷ビジネスのマーケティングサービス部門の買収:8億円
  • 産業ビジネスの物的設備:12億円

こうして見るとプレシジョンメディシン事業の金額が大きいことが分かります。

プレシジョンメディシン事業の損失が突出してるね。

どれも大きな損失ですね。

赤字の主要な要因プレシジョンメディシン事業とは

画像出典元:https://www.konicaminolta.com/jp-ja/investors/ir_library/ar/ar2018/special03/index.html

コニカミノルタのプレシジョンメディシン事業は、主に遺伝子診断や分子マーキング、バイオインフォマティクスなどの高度な医療技術を提供しています。

それにより個々の患者に最適化された治療法を提供することを目指しています。

2017年にアメリカの遺伝子検査分析会社であるAmbry Genetics Corporation(Ambry)とAI技術を使用した薬物発見支援サービスの提供者であるInvicro, LLC(Invicro)を買収し、この目標を達成するための基盤を確立しました。

コニカミノルタプレシジョンメディシンジャパン(KMPMJ)は、2018年に設立され、疾患と関連するバイオマーカーを特定および追跡するツールと、ターゲット療法の開発を加速する関連サービスを提供しています。

コロナウイルスのパンデミックにより、予防的な遺伝子テストのための病院訪問が急激に減少し、診断および健康スクリーニングのための遺伝子テストの需要が予想よりも大幅に低下しました。

これにより、会社は過去の買収、特にAmbry Genetics CorporationとInvicro, LLCの買収に関連する、プレシジョンメディシン分野に対する営業損失の調整を余儀なくされました。

第三者への事業譲渡も含めて検討を進めていると発表しています。

この結果、会社は現在の会計年度の第4四半期に1035億円の減損損失を計上する見込みであるとコニカミノルタは発表しています。

スゴイ額の損失だね。

日本企業踏ん張ってほしいですね。

新規事業の成長余地

画像出典元:https://www.innervision.co.jp/sp/report/item/2018/products/konica_report

巨額の赤字にもかかわらず、コニカミノルタは前向きな戦略を立てています。

情報機器、インクジェット(IJコンポーネント)及び光学コンポーネント事業を各事業毎の3会社に分割しました。

この再編により、各事業の意思決定の迅速化や機能・リソースの再配置を推進し、事業の競争力と価値創造力を一層高めるとしています。

また、コニカミノルタの2023年3月期第3四半期の連結業績は、売上が821,027百万円で24.1%増となりましたが、営業利益は3,388百万円の赤字であり、四半期利益も△3,543百万円となっています。

これに対して、2023年3月期通期の業績予想では、売上は1,120,000百万円、営業利益は15,000百万円の黒字、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,500百万円の黒字と予想されています。

赤字に負けないでほしいね!

次の良い報告に期待ですね!

2023年にコニカミノルタが開始した新事業

画像出典元:https://www.konicaminolta.com/jp-ja/newsroom/2018/0322-01-01.html

  1. RSA Cosmos社(コニカミノルタの一部)がLEDドーム型プラネタリウムの世界初の顧客契約を獲得。
  2. コニカミノルタと産業技術総合研究所(AIST)が共同でバイオプロセス技術研究所を設立
  3. 教育データを効果的に活用できるようにする「tomoLinks」を開始。
  4. 世界最高レベルの超低照度領域から最高照度領域までを測定可能な分光放射計「CS-3000HDR」のリリースを発表。
  5. コンピュータビジョンの主要な会議であるCVPR 2023で、コニカミノルタの2つの論文が採択​。
  6. 北米でのガス監視カメラの流通契約を締結​。
  7. i-PRO、MOBOTIX、およびコニカミノルタが戦略的な協力を強化。
  8. タムラTECOと共同で手頃な価格のオゾン発生器を開発
  9. AIを使用したグローバルビデオソリューションサービスビジネスの加速を発表​。

こんなにたくさん取り組んでいるんですね!

プラネタリウム行ってみたいな。

まとめ

巨額の赤字の要因も常に新しい事業に取り組んでいる証とも言えます。

厳しい局面ですが、業績改善に向けて真剣に取り組んでいるコニカミノルタの今後に期待ですね。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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