2023年5月1日アメリカの銀行、「ファースト・リパブリック・バンク」が経営破綻しました。
アメリカで史上2番目の規模の銀行破綻でこれをきっかけにリーマンショックのような金融危機が訪れるのではないかという懸念もありました。
今回はアメリカの銀行破綻がなぜ起きたのか背景を調査しました。
アイキャッチ画像出典元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230428/k10014051841000.html
ファースト・リパブリック・バンクとは
1985年に創業したアメリカ西部カリフォルニア州に拠点を置く地方銀行で、富裕層向けのビジネスで知られており、2022年12月末時点で全米14位の資産規模を有していました。
4月13日時点の総資産は2291億ドル、日本円でおよそ31兆円で、3月に経営破綻したシリコンバレーバンクを上回り、2008年のリーマンショックに次ぐ史上2番目の規模の銀行破綻となります。
なお、ファースト・リパブリック・バンクには経営破綻前に主要米銀11行から合計300億ドルの預金が預け入れられるという救済策が取られていました。
しかし、それでも経営破綻を避けることはできませんでした。
この事態は世界中に衝撃を与え、破綻連鎖のリスクが高まったことから、他の銀行に対する懸念も生じています。
富裕層がたくさん預けてたんだね。
またリーマンショックみたいになるのかな?
銀行破綻の背景
3月10日にシリコンバレーバンクが破綻すると、ファースト・リパブリック・バンクの大口預金比率の高さや金利上昇で含み損を抱えた資産の大きさから、急速な預金流出と株価急落に見舞われました。
そのため、米大手11行が救済措置を講じ、計300億ドルの預金をファースト・リパブリック・バンクに預ける間に財務の立て直しなど抜本的な再建策に取り組む段取りを描きました。
しかし、ファースト・リパブリック・バンクが4月24日に発表した1〜3月期決算で3月末預金が4割減ったことが明らかになると、市場の不安が再燃し株価はさらに8割近く下がりました。
米国では銀行が破綻した場合、1口座あたり25万ドル(約3400万円)保護される制度があります。
ただ米銀全体では保護対象となる預金だけでも約10兆ドルあり、預金保険基金の残高はその1.3%弱しかありません。
制度の限界を顧客に見抜かれて預金流出を抑えきれなかったことや、SNSやインターネットを通じた金融サービスが普及したデジタル時代の預金の取り付けという意味で、アメリカでは「デジタル・バンク・ラン」とも呼ばれ、預金の流出が速かったため、破綻を招く原因となりました。
ネットでの情報拡散や引き出しが早かったんだね。
銀行破綻するって怖すぎるね。
どんな影響が出る?
FRB議長「我々は間違いを犯した」 相次ぐ銀行破綻でhttps://t.co/yKqkU1bJdN
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 4, 2023
今後の金融業界への影響
米国では約2か月でシルバーゲート・バンク、シグネチャー・バンク、シリコンバレー・バンクの3行が破綻し、5月にはファーストリパブリック銀行も破綻と、米国の銀行が破綻し米国で預金に対する不安が急速に高まっています。
今後は商業銀行全体で融資基準の厳格化や収益性の悪化等が進むことで融資が絞られてくる可能性があり、実体経済への影響をより注視していく局面に入ったと考えられます。
日本への影響
日本では全国銀行業界(全銀協)が公表する“全国銀行 預金貸出金速報”によると、2023年3月、110ある全国の銀行の総預金は前年同月比で3.3%増えています。
しかし、日本でも銀行にはお金があふれ、大量の資金が債券へと向けられていますので、同じことが日本でも起こる可能性があります。
日本では銀行が経営破綻した場合、預金保険によって元本1000万円とその利息が保護されます。元本1000万円を超える部分は、破綻した銀行の財産状況に応じて払い戻しされますが、一部がカットされる(ペイオフ)可能性があります。
次々に銀行が潰れると不安です。
日本に影響がありませんように。
まとめ
今回は2023年5月1日付で経営破綻したファースト・リパブリック・バンクについて調査しました。
その背景には、金利上昇による多額の含み損や預金流出などがあります。
今後は商業銀行全体で融資基準の厳格化や収益性の悪化等が進むことで融資が絞られてくる可能性があり、日本でも今後の動きには要注意です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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