マクドナルドでは、平成時代に人気を集めたバーガーを復活させる「平成バーガー」が期間限定で発売され話題を呼んでいます。
ファストフード界において今も昔も人気の高いマクドナルドですが、毎月のように新メニューが出ているのが特徴のひとつです。
そして、その中にはあまり売れなかったメニューもあったはずです。
ヒットを飛ばし続けるマクドナルドの挑戦と、成功したメニュー、意外な失敗メニューについて調査しました。
(アイキャッチ画像出典元:https://zatsuneta.com/archives/004279.html)
日本マクドナルドの歴史
第1号店は1971年に銀座でオープン
藤田商店の社長がアメリカよりフランチャイズ権を獲得し、1971年(昭和46年)7月20日、第1号店・銀座店がオープンしました。
開店初日のメニューは「ハンバーガー80円、チーズバーガー100円、ビッグマック200円、フィレオフィッシュ100円、マックシェイク120円、コーヒー50円」などでした。
第1号店が開店した頃、ちょうど銀座で歩行者天国が始まり「路上でハンバーガーを食べるのがカッコイイ」とされ、路上で食べるスタイルがブームになったそうです。
そのおかげもあってか、開店1年後には全世界の店舗で1日あたりの売上世界一を記録しました。
フィレオフィッシュやマックシェイクも当時からあったんだなぁ
マックシェイクが120円って当時にしてはかなり高めよね
【年表】マクドナルドの挑戦
1号店が大成功をおさめ、日本でも本格的にファストフードの文化が広がっていきました。
以降、時代に合わせた価格改定、メニュー開発、企業とのコラボ、社会貢献活動等、様々な挑戦し続けていく日本マクドナルド50年の歴史を年表でご紹介します。
- 1977年 ドライブイン店舗、ドライブスルー併設店舗の展開
- 1984年 チキンマックナゲット全国発売開始
- 1985年 ブレックファストメニューを導入
- 1987年 サンキューセットの発売、この年の流行語大賞になる
- 1990年 山形県第1号店の開店により、全都道府県の進出達成
- 1991年 月見バーガーを地域限定で発売、チキンタツタの初登場
- 1993年 グラタンコロッケバーガーを発売
- 1994年 バリューセットの販売開始
- 2000年 平日半額キャンペーンで40代・50代の集客にも成功を収める
- 2002年 平成不況が長引き、創業以来初の赤字決算となる
- 2003年 組織の立て直しを図るため、希望退職者募集、他事業からの撤退、経営資源の再編成を行う
- 2005年 100円マックの導入
- 2006年 期間限定だったえびフィレオが定番メニュー化、サラダをメインとしたセットメニューの発売開始
- 2007年 ハッピーセットの年間販売数が1億個を突破
- 2010年 マクドナルドオリジナルのポケモンカレンダーが「世界でもっとも売れているカレンダー」としてギネス世界記録に認定
- 2015年 ハワイ州観光局初の公認メニュー ロコモコバーガー などを期間限定販売
- 2017年 病気と闘う子どもたちを支援するマックハッピーデーを全店舗で実施
- 2018年 夜マックがスタート
- 2020年 ごはんバーガーが夜マックに登場
成功したメニューと戦略
クォーターパウンダーの再販
1970年代後半に全国発売され一度地域限定メニューに縮小されたクォーターパウンダーですが、2000年代に入り多彩な展開を行っています。
- 2003年 東京都内一部店舗で期間限定発売
- 2007年 熊本地域限定発売
- 2008年 都内でPR店舗をオープン、関西で初めて発売
関西初となる御堂筋周防町店での発売開始当日、徹夜組も含めた約2,000人が長蛇の列を作ったと話題になりました。
後日、来店した中の1,000人は人材派遣会社に依頼して集められたアルバイトであったことがわかり、新聞記事にも掲載されました。
しかし、その影響力は絶大で、翌年2009年にクォーターパウンダーのみを販売するPR店舗で売上1,245万円を記録し、1日あたりの店舗売上高の過去最高を記録しました。
大人気だったクォーターパウンダーですが2017年に発売終了となり、残念ながら今回の「平成バーガー」にも入っていない為、Twitterでトレンド入りして再び話題を呼んでいます。
「復活してほしいファストフード」1位のチキンタツタ
1991年に期間限定で発売され、翌年レギュラーメニューとなり、2004年に発売終了となったチキンタツタ。
2008年9月実施のオリコン調査「復活してほしいファストフードメニューランキング」で堂々1位を獲得し、2009年9月に一度復活します。
しかし、あまりに人気過ぎて販売期間が短かった為、なんと同年12月に再び復活しました。
それ以降ほぼ毎年、期間限定メニューとして登場しています。
そして、近年のチキンタツタは「2種類から選べる」という形で販売しているという特徴があります。
これについて、日本マクドナルドナショナルマーケティング部長の唐澤さんは以下のように語っています。
ランチでメニューを選ぶときに「どっちにしょうかなぁ」と迷うことが誰にでもあると思うが、この迷いながらそれぞれの商品のおいしさを想像している時間は、実はとても幸せな瞬間ではないか。このようなインサイトを消費者は持っていると仮説を立てたのだ。
引用元:マクドナルドが実践する「広めていただく」マーケティング by 唐澤 俊輔
”迷う”という行為をした後に”選ぶ”という行為をした消費者は、より商品に深く関わることになるので、「自分は〇〇を選んだ!」とSNSに書こうという気持ちが高まります。
そうして拡散していくのを狙って、販売前のPRリリースを重視し、販売前の1週間で最大のバズになるよう計算してソーシャルを動かしているそうです。
失敗したメニューと原因
マクドナルドといえばハンバーガーやポテト等、高カロリーなメニューが多い中、バランスのいい生活を応援する新しい提案として2006年に「サラダマック」が登場しました。
新商品を出す前の顧客調査で
- 身体に良いものを食べたい
- ハンバーガーだけではなくヘルシーなものが食べたい
- サラダメニューを追加してほしい
という声が多く寄せられ発売となったのですが、結果的にあまり売れず、ほどなくして終了となりました。
アンケートや顧客調査に答える人は“自分をよく見せたい”という心理があり、健康志向に見られたいという建前で回答し、「脂っこいものを背徳感を味わいながらガッツリ食べたい」という本音の部分が隠れてしまっていたのです。
結局、マクドナルドを利用する時には健康を意識していない人が多い=マクドナルドに健康は求められていないということでしょう。
Twitterでの声は以下の通りです。
マーケティングの失敗事例として良く挙げられる「ヘルシーじゃないからマックには行きません」といった声が多いから始めたサラダマックが全く売れずに大失敗
のように人間正直な要求をぶつけてくるとは限らないから難しい
アンケートですら健康志向に見られようとカッコつける意識が働くという— カタナ (@wholesome_E7) February 18, 2022
サラダマックの失敗を踏まえてなのか、欲望をガチ盛りしたハンバーガーが多い。
— つじふく / 辻の梟 にぎやかし (@mattari_alfa) December 12, 2021
消費者の意見は大事ですが、企業のイメージや既存の商品のイメージとも照らし合わせ、本当に求められているものなのか考える必要があったのかもしれないですね。
まとめ
挑戦し続けるマクドナルドにおいて、成功したメニューはしっかりと戦略が立てられ、期間限定商品として復活した時にはまた話題を呼ぶというサイクルになっていることがわかりました。
失敗したメニューは顧客調査に頼りすぎたのが原因と言えます。
50年以上続く日本マクドナルドですが、今後どんなメニューが登場するのか、期待が高まります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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