宇宙開発は人類が長い間夢見てきた、人類の科学技術の限界を押し広げ、新たな可能性を探る取り組みです。
しかし、宇宙開発には莫大な費用がかかり、また、環境や安全性への懸念など、反対意見も少なくありません。
宇宙開発に対する反対意見を今回は調査しました。
(アイキャッチ画像出典元 :https://journal.meti.go.jp/)
宇宙開発とは
宇宙開発とは、地球以外の宇宙空間を探査・利用するために行う人類の活動のことで、人工衛星の打ち上げや宇宙探査機の開発など、さまざまな分野にわたります。
宇宙開発による技術として、人工衛星はテレビやラジオなどの放送、気象観測、災害監視などに役立っており、宇宙探査機は、太陽系や銀河系の謎を解き明かすために活躍しています。
世界の富豪がこぞって宇宙旅行へ
宇宙なう pic.twitter.com/A9vnUZTKJ5
— 前澤友作 (@yousuck2020) December 9, 2021
2021年ヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソン氏、米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、そして株式会社ZOZO設立者の前澤友作氏も宇宙旅行を体験しました。
一方、英フィナンシャル・タイムズ(FT)は「ブランソン、ベゾス、そして億万長者の無意味な宇宙レース」という反対意見を表明するタイトルで記事を掲載しました。
億万長者たちは宇宙事業に取り組むもっともらしい理由を挙げているが、「単に歴史に自分の名を刻みたいだけ」と記事にし、住みにくい他の惑星を模索する前に、まずは私たちの惑星を救おうではないかと読者に呼びかけました。
宇宙開発における反対意見
宇宙開発の反対意見には、大きく分けて次の4つの種類があります。
- 金銭リスク
- 人的リスク
- 環境リスク
- 社会リスク
金銭リスク
宇宙開発には、莫大な費用がかかります。
例えばアメリカのアポロ計画には、総額約250億ドル(約2兆7000億円)の費用かかったと言われ、国際宇宙ステーションの運営費用は、年間約200億ドル(約2兆3000億円)かかります。
これらのコストを、宇宙開発よりも貧困問題や環境問題やインフラの整備のような地上の課題解決のために優先すべきという、反対意見があります。
人的リスク
宇宙探査機の故障や事故、ロケットの爆発などにより、人命が失われる可能性があります。
ソビエト連邦のソユーズ11号では、帰還途中に酸素漏れが発生し乗員3名が死亡し、アメリカのスペースシャトルチャレンジャー号では、打ち上げ直後に爆発し乗員7名が死亡する事故がありました。
他にも、乗員の宇宙空間における怪我や病気、放射線被曝、無重力による筋力の低下、宇宙に長期滞在することによる精神への影響も人的リスクとしてあげられます。
環境リスク
人工衛星の破片やロケットの残骸、それらが衝突した際に生じた破片など、宇宙空間を漂う宇宙デブリ(宇宙ゴミ)の存在が悪影響を与えます。
宇宙デブリは、秒速10~15kmという高速で地球の軌道を周回し、1mm程度の宇宙デブリであっても、当たりどころが悪ければ運用中の衛星の故障や破壊につながる可能性があります。
また、宇宙デブリは大気圏に再突入する際に燃え尽きることが多いのですが、2021年に中国の「長征5号B」の残骸が大気圏に再突入した後にインド洋に落下しました。
人工衛星を打ち上げた際に使ったロケットの残骸などの宇宙デブリが今後10年間で地上に落下して死傷者を出す確率が10%に上るとの分析結果を、カナダ・ブリティッシュコロンビア大の研究チームが発表しました。
社会リスク
倫理的、法的、社会的な課題が、解決されていない。
1967年に採択された「宇宙憲章(月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約)」があるものの、宇宙開発の過程で得られた水や鉱物などの資源の所有権や分配方法など倫理的、法的な整備がされていません。
宇宙開発で得られた資源は、このままでは早い者勝ちの状況になり国家間紛争の火種になりかねない状態です。
また宇宙開発による技術の軍事転用も懸念され、これは国家間紛争だけではなくテロリストに技術を転用される危険があります。
まとめ
宇宙開発は、人類の夢であり、大きな可能性を秘めた分野ですが、様々なリスクがあります。
今後の宇宙開発はメリットだけではなく反対意見にも耳を傾け、宇宙開発の成果を社会に還元して人類の幸福に貢献するものになってほしいです。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
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