行ったこともない土地でも、迷うことなく目的地まで案内してくれるカーナビですが、一昔前は地図と実際の道を比べながら、目的地まで向かっていました。
そんな便利なカーナビは実は日本が発明したもので、開発当時は日本だけしか需要がありませんでした。
今回は、カーナビの歴史や日本と欧米でのカーナビ需要の違いについて解説していきます。
(アイキャッチ画像出典元:https://car.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1454886.html)
カーナビは日本から生まれた
カーナビは「HONDA」が1970年代に作り始めたのがきっかけです。
当時の日本は、高度成長期で車の数はどんどん増え、渋滞が各地で起きていました。
渋滞に捕まれば、時間は取られ、長時間座り続けることで体も疲れます。
そこでHONDAは、ドライバーの負担を減らすために車が自動で目的地に向かう自動運転システムの開発を始め、その開発のなかで生まれたのがカーナビでした。
最初に作られたカーナビは30万円で販売され、当時では中古車が1台買えるほどの値段でした。
かなり高額でしたが、HONDAが開発した後、その後を追うように他の自動車メーカーも製作するようになり、どんどんカーナビは普及していきました。
さらには1990年ごろに冷戦が終結したおかげで、GPSを使用し、さらに正確な位置情報を把握できるようになり、現在のカーナビの機能になりました。
日本と欧米のカーナビの需要
カーナビが最初に作られたのが日本であった理由は需要の問題です。
日本と欧米ではカーナビ需要にどんな違いがあるのか以下で解説します。
日本のカーナビの需要
日本の道は幅も狭く、車の数が増えるとどうしても渋滞が起きやすいのが特徴です。
そのため、渋滞の情報であったり、渋滞を避ける道をいち早く欲しいという需要があり、結果カーナビの需要は高まりました。
さらにセキュリティ面でも日本はカーナビを作りやすい環境でした。
日本は犯罪率が低く、カーナビを搭載していても盗難に遭う可能性が低いので、便利なカーナビはどんどん日本で普及していったのです。
欧米のカーナビの需要
欧米の道は日本とは違い、幅が広く、一部の大都市以外では渋滞を気にする必要がありませんでした。
これが1番の日本との違いであり、日本のように渋滞を避けたいという考えにならないため、カーナビの需要はそこまで高まりませんでした。
セキュリティ面でも日本と逆で、犯罪率が高い上に、軍の重要機密の場所が多いため、カーナビの普及が遅れました。
日本人と欧米人の道の教え方
日本人と欧米人の道の教え方からも、カーナビの需要の違いが見えてきます。
ここからは日本人と欧米人の道の教え方を紹介していきます。
日本人の道の教え方
日本人の場合、「AからBまでの行き方を教えてほしい」と言われたら、簡易的な地図を書いて、目印などを加えて説明します。
これがそのままカーナビの機能となっており、目的地を設定すると、地図にルートが記されて、その通りに向かえば目的地に着きます。
これが、欧米人の道の教え方とは合いませんでした。
欧米人の道の教え方
欧米人、アメリカを例に出しますが、アメリカ人が紙を渡されて「AからBまでの行き方を教えてほしい」と言われたら、文章で説明します。
「〇〇通りを右に曲がって…」というような説明です。
そのため、日本人と欧米人とでは道の教え方が違い、地図上にルートが記される日本的なカーナビの需要は欧米では高まりませんでした。
まとめ
今回は、日本だけカーナビの需要が高かった理由について解説しました。
- 道路の幅が欧米よりも日本は狭く、渋滞が起きやすい
- 日本は治安が良く、欧米よりも車の盗難が少ない
- カーナビが日本式の道の教え方のため、当初欧米人に合わなかった
これらの3つの理由から、日本だけカーナビの需要が高かったのです。
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