「それにつけてもおやつはカール♪」のキャッチコピーでお馴染みのスナック菓子カールですが、2017年8月生産分から関東での販売を取り止め、関西地域以西のみでの販売となりました。
調べてみると、その理由は売上の低迷のため、生産効率と生産拠点からの物流を考えた結果ですが、コーン系特有の理由もありました。
今回はカールが関東撤退をしたのはなぜなのか、その理由や背景を詳しく調査しました。
(アイキャッチ画像出典元:https://www.mdn.co.jp/news/5534)
カールの歴史
- 販売会社:株式会社 明治
- 販売開始:1968年7月25日
- 種類:スナック菓子(日本で最初のスナック菓子)
- 原料:トウモロコシ
- 製法:1968年の発売以来ずっとノンフライ製法
- 容量:チーズあじ64g、うすあじ68g
- 希望小売価格:150円(税別)
- 売上:最盛期190億円、現在60億円
- イメージキャラクター:カールおじさん
- CMソング:「いいもんだな故郷は」別名「カールの歌」初放映は1974年4月
カール開発時、日本では「お菓子=甘いもの」というイメージがありました。
しかし、その頃アメリカで流行していたスナック菓子にいち早く着目し、一年を通しておいしく食べられるお菓子、かつ小腹を満たすお菓子に取り組んだ結果、生まれたのがカールでした。
最初は坊やの後ろで脇役として登場していたカールおじさんですが、お客様からの熱いコールを受け人気者になり、CMでもパッケージでも主役となったのです。
さらに2015年7月28日には公式から実写版カールおじさんも登場しています。
日本で最初のスナック菓子なんだね。
カールおじさんは最初は脇役だったのね。
カールが関東撤退を決意した理由は売上低迷
カールが買えなくなるのは赤の地域
青の地域は今後も販売を継続#中部以東 pic.twitter.com/a4GBD2OLFm— ゆうやん ٩(๑′∀ ‵๑)۶ (@blue_eyes373) May 25, 2017
2017年5月25日、明治はカールの販売を東日本で終了すると発表しました。
全国5ヵ所の生産工場のうち、実に4ヵ所が生産を終了し、子会社である四国明治(香川県三豊市)にある松山工場1ヵ所に縮小、西日本限定で販売することとなりました。
ラインアップも主力の「チーズあじ」「うすあじ」のみとなっています。
近年スナック菓子の人気はポテト系に集まるようになり、カールのようなコーン系は苦戦が続いてきました。
明治が同じく生産・販売していた1970年生まれのコーンスナック菓子「ピックアップ」も同時期に販売を終了しています。
スナック菓子の出荷比率
スナック菓子は以下のような出荷比率になっています。
- 72%:ポテト系 (原料:じゃがいも)
- 17%:コーン系 (原料:とうもろこし)
- 8%:小麦系 (原料:小麦)
(2016年 全日本菓子協会調べ)
スナック菓子は、じゃがいもが原料の「ポテト系」、とうもろこしが原料の「コーン系」、小麦が原料の「小麦系」に大別されます。
出荷構成比は、ポテト系が72%と突出しており、コーン系17%、小麦系8%と続きます。(2016年、全日本菓子協会調べ)
カールのようなコーン系は専用設備のために製造原価増
さらに、ポテト系は原材料であるじゃがいもをスライスする工程が各商品で共通しており、設備投資のコストが安く済むのに対し、コーン系は専用の機械で製造しなくてはならず、総じて製造原価が上がってしまいます。
また、原材料の輸送費ですが、ポテト系は国産原料を使用することが多いので安く済みますが、コーン系は海外から原材料を輸入するためコストがかかります。
売上が低迷する中で、生産効率と生産拠点からの物流を総合的に考えた結果、関東での販売を終了しました。
まとめ
- 1968年7月25日生まれの日本で最初のスナック菓子
- 2017年8月生産分から、松山工場1ヵ所に縮小、西日本限定で販売
- カールが関東撤退を決意した理由は、売上が低迷する中で、生産効率と生産拠点からの物流を総合的に考えた結果
カールが関東撤退をしたのは残念ですが、完全に生産終了したわけではなく、アマゾンや楽天などの通販サイトから購入することができるので食べたい場合はそれらを利用しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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