核シェルターって意味ないの?日本で普及していない理由を調査しました!

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(アイキャッチ画像出典元:https://takayakoumuten.co.jp/)
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北朝鮮からの弾道ミサイルの発射や、ウクライナ戦争でプーチン大統領が核使用をほのめかしたこともあり、現在日本でも核シェルターへの注目が集まっています。

日本ではあまり知られていない核シェルターの概要や、世界の現状、日本で普及していない理由を調査しました。

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核シェルターとは核爆発から命を守る避難空間

核シェルターとは「放射性降下物シェルター」とも呼ばれ、核爆発による放射性破片や放射性降下物から居住者を保護するために特別に指定された閉鎖空間です。

核爆発によって発生する、爆熱・火災・水害・放射線・二次放射能による空気や水や土壌の汚染から人命を守るものと定義づけられています。

基本的に次の4要件クリアが前提です。

  • 2週間の避難生活ができること
  • NBCフィルターが設置されていること
  • ベッドとトイレがあること
  • 飲料水・食料を備蓄できること

基本的に核シェルターに2週間退避していれば放射線被曝の影響がほぼなくなるとされています。

NBCフィルターとは、N(核兵器)、B(生物兵器)、C(化学兵器)の3兵器から大気中にばらまかれた放射性物質や有毒ガスを吸着し、浄化された大気のみをシェルター内に供給できる空気清浄機のことです。

2週間も避難生活するには相当な備蓄が必要だな

カセットコンロ、照明器具、着替え等も必要ね

核シェルターの種類

核シェルターには国や自治体が公費で設置する大規模な「公共核シェルター」と、個人が自費で設置する小規模な「民間核シェルター」があり、民間核シェルターは以下の4つに分類されます。

【室内】エアコンタイプ

(画像出典元:https://kakushelter.net/article/21/)

自宅の一室に、NBCフィルターを装着したエアコンを設置します。

大気中の放射性物質や有毒ガスを除去すると共に、室内の空気圧を高め室内の気密性を高める仕組みになっています。

自宅を核シェルター化してしまおうという新しい発想のもと開発されました。

【室内/屋外】カプセルタイプ

(画像出典元:https://kakushelter.net/article/21/)

室内用のカプセルタイプであれば自宅の一室に設置することができ、ミサイルだけでなく地震、台風、竜巻といった被害からも守ってくれます

室内に設置場所がない家庭には、庭に設置できる屋外用のタイプもあります。

【地下/屋外】コンクリートボックスタイプ

(画像出典元:https://ssmartace.or.jp/nuclear-explosion-proof-radioactive-products/

地下埋設、地上設置の両方に対応できる鉄筋コンクリート構造タイプで、大きさは大小様々なので自宅の庭の大きさに合わせて設置できます。

普段は防音ルームとして利用することも可能です。

【地下】鉄製カプセルタイプ

(画像出典元:https://www.newsweekjapan.jp/stories/)

 

カプセルタイプの構造と似た形状をしていて、それを地下埋設型にしたものです。

キッチンや和談室が設置されていて、6人家族が1年程度過ごすことができるようデザインされた商品もあります。

世界の核シェルター事情

(画像出典元:https://takayakoumuten.co.jp/8877)

スイス、イスラエルの人口当たりの核シェルター普及率は100%。

スイスでは、1962年の米ソ冷戦下でのキューバ危機を受けて、1963年に全戸に核シェルターの設置を義務付ける法律が成立しています。

1963年以降に建てられた個人家屋や施設に避難場所が設置されているので、通算すると860万人もの人々が避難できるそうです。

「国防・市民保護・スポーツ省」という核シェルターを管轄する官庁がありシェルターの規格や定期点検について定め、自治体と連携して運用しています。

イスラエルでも同様に、新しく家を建てるときにはシェルターを作ることが法律で定められています。

学校、病院、ショッピングセンター等の公共の場やマンションの地下には大型で強固なシェルターが備えられています。

抜き打ちの避難訓練が年に何度かあり、シェルターを中心に国民の危機意識を養っているのでしょう。

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核シェルターは意味がない?

一部の国では取り入れられているものの、世界全体で見るとまだまだ核シェルターの普及率は低いと言えます。

その理由として、核シェルターは意味がないという意見があり理由は以下の通りです。

  • 爆心地から3㎞圏内だと核シェルターへの避難に間に合わない
  • 核シェルターを「シェルター」と勘違いしている

広島・長崎型核兵器の場合、直撃3㎞圏内が生存困難とされていました。

ばらまかれる放射能の汚染範囲は100㎞から3000㎞で、期間は2週間程度とされている為、意味がないと考えるのかもしれません。

しかし、核シェルターがあらゆる場所にあれば、生き延びれる可能性は高くなると言えます。

また、普通のシェルター(避難場所)を核シェルターとして販売している業者には注意が必要です。

「爆熱・火災・水害・放射線」から身を守る設計でないと核シェルターとしては意味がないのです。

日本で普及しない理由

日本は唯一の被爆国であるにもかかわらず、核シェルターの普及率は0.02%とほとんど設置されていない状況です。

その理由は以下の通りです。

  • 核シェルターの必要性を感じていない
  • 備蓄に対する意識が低い
  • 他国のように設置義務がない
  • 費用が高い

日本は「戦争を二度と起こしたくない」という平和主義な国民性が逆に核から意識を遠ざけてしまっているのです。

戦争に対する危機感の無さから、「起きないはずのことに準備はしない」という風潮も手伝い、法律で核シェルターについて定められることもなくここまで来ています。

2023年3月、YouTuberのはじめしゃちょーが自宅のガレージに設置できるタイプの核シェルターを購入したとニュースになりましたが、費用は総額750万円と公表しています。

視聴者からのコメントでは「安全を750万円で買えるのはお得に感じる」という意見もあり、まさに命をお金に換えることはできないということですね。

まとめ

日本でほとんど普及していない核シェルターですが、世界では普及率100%、法律で設置を義務付けられている国もあります。

日本の普及率が低い理由は「核攻撃に対する意識の低さ」がほとんどでしょう。

まずは核攻撃や核シェルターに対する正しい知識が大切です。

日本政府が核シェルター普及に向けて動く日は近いかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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