度々話題に上がる電車・新幹線の運転士居眠り報道。
運転士の居眠りは、利用者にとっては不安この上ないことです。
原因として、慢性的な睡眠不足に陥る勤務の実態も一因です。
しかし、幸いにもけが人はなく、電車は遅れることなく、通常通り目的地に到着することもあります。
運よく事故にならないのは、ATS(自動列車停止装置)ATC(自動列車制御装置)ATO(自動列車運転装置)によって、列車が事故に至る前に自動的に装置が作動するようになっているためです。
JR東日本では、2025年から2030年頃をめどに山手線・京浜東北線でもATOの導入を計画し、ドライバーレスを目指しています。
(アイキャッチ出典元:https://f-navigation.jp)
運転士の睡眠不足
「4時間の仮眠で18時間勤務」は、鉄道業界では一般的です。
SNSなどでは労働環境に問題があるのではないかという意見も見られますが、多くの鉄道事業者は泊まり勤務の仮眠時間を4~5時間と定めています。
4時間という仮眠時間は、1947年に制定された労働基準法の施行規則で「一昼夜交替の勤務に就く者については、夜間連続4時間以上の睡眠時間を与えなければならない」と定められたことに由来しています。
景色のないトンネルを走る地下鉄の運転士にとって眠気との戦いは宿命のようなものですが、ほとんどの運転士は事故を起こさずに日々勤務している事実もあります。
しかし慢性的な睡眠不足が続き、いくつかの状況が重なって事故につながる可能性があるのです。
慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。
健康な人でも1日10時間たっぷりと眠った日に比較して、寝不足(4時間睡眠)をたった2日間続けただけでホルモンの分泌に影響が出ることがわかっています。
日常生活から気をつけて数日先の勤務を把握して
寝不足に備えています
運転士さんのおかげで安心して電車にのれます
睡魔と戦う眠気対策3選
睡魔との戦いは、電車の運転士に限ったことではありません。
どうしてもぼーっとして目が閉じそうなとき、ぜひ実践してみて下さい。
おしり浮かせ体操
眠気に襲われたら5秒だけ腰を少し上げるというのを3回ほど繰り返します。
踏ん張ることで足に力を入れて、血液を脳に押し上げて眠気を飛ばすのです。
呼吸をしない
苦しくて限界になるまで息を止めます。
呼吸を再開したときに一気に血流が戻り、目が覚めます。
楽しみな予定を考える
ぼーっとしてしまったとき、自然と眠気が襲ってきます。
あえて頭の中を忙しくすることでやる気と活力が戻ってきます。
今度行ってみたいレストランや、週末の予定など楽しいことを考えて、頭の中をアクティブにします。
電車の自動運転・ドライバーレスへの進化
運転士さんはいなくなっちゃうの・・・
自動運転これからどうなるのかな
今後労働人口が減っていく日本において、運転士や保守要員の確保が難しいことから鉄道の自動運転は需要が高まっています。
実際に地下鉄では多くの路線において導入されており、2021年3月にはJR常磐線(各駅停車)においても導入されました。
JR東日本は、ドライバーレス運転の実現に向け、自動列車運転装置(ATO)の運用試験を進めています。
▽ATOが自動的に列車を加速・減速
▽自動で決められた位置に停車
▽緊急時には遠隔で列車を停止
(自動列車制御装置(ATC)の信号をレールに流し、走行速度が制限速度以下であるかをチェックしつつ、速度が超過の場合は自動的にブレーキを作動する)
また、ステレオカメラによる障害物検知システムを運転支援システムとして導入し、乗務員の見落とし防止などに役立て、鉄道事故の発生を減らしていく方針です。
まとめ
居眠り運転は、命に関わる重大な事故につながりかねない非常に危険な行為です。
一たび列車の衝突や脱線等が発生すると、多数の死傷者を生じるおそれがあります。
安心して利用できるように、安全対策を徹底する必要があります。
今後は、自動列車運転装置(ATO)の導入により、
- 運転士のいないドライバレス運転
- 運転士がいるワンマン運転
へ移行していきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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